自分の人生を自分でコントロールしていると思う感覚
自分の人生を自分でコントロールできていると言う感覚がストレスをマネジメントする上でとても大切になってきます。
皆さんも経験があると思いますが、自分の裁量のある仕事をしていて自分の状況をコントロールできる場合と、上司が多くの決定権を握っていて上司の言う通りに働かなければいけない場合とでは仕事への満足感は大分違います。
もちろん多くの人は状況を自分でコントロールできているときに仕事の満足感や充実感を感じると思います。
コントロール心理学の先駆者である元ハーバード大学の教授エレン・ランガーがイエール大学在籍時に老人施設で行ったこんな研究があります。
あるグループは身の回りの整理整頓を全て自分で行うことができ、どのような観葉植物を置くのかといった選択もありました。
もう一方のグループでは身の回りの世話を職員にやってもらい植物なども人に選んで貰いました。
この2つのグループを比べたときに、数週間で結果に違いが現れ前者が健康状態測定で高得点を出しました。
そして18ヶ後の追跡結果は衝撃で、前者の自分で身の回りのコントロールができたグループはそうでないグループの死亡率がなんと半分でした。
その他いくつかの研究でも、自分が状況をコントロールできていないと言う感覚はストレスや病気につながるとされています。
ゆえにストレスに敏感な人はなるべく自分の状況をコントロールすることができる環境、もしくはそのポジションを手に入れる事はとても重要です。
一方、あれこれ人に指示をしたり、相手をコントロールしなければ気がすまない人とはなるべく距離をおくことをおすすめします。
私自身ストレスには人一倍敏感だったため、職場では自己裁量の高い職場が圧倒的に合い、そうでない職場と比べてその満足度はかなり違いました。
1番長く働いた職場は大きなオフィスが1つある職場ではなく、小さな支店があちこちに沢山ある組織になっていて権力が非常に分散されていました。また支店ごとに独自のカラーがあり自分の個性を出すことを許されていたのでその点ではとても働きやすかったのを覚えています。
また現在も小さな法人を経営していますが、当然独立すれば上司なんて存在しませんので、自分がコントロールできる範囲が非常に広くなります。
私の場合はこのような働き方をすることで、うまくストレスと付き合い、尚且つ結果を出すことができました。
しかしこのような働き方にも当然デメリットがあります。
権力が分散されていて自己裁量の高い職場では、自分の働きによって結果が目に見えて変わるので結果に対して責任があります。
もちろん過剰に働きすぎても生産性は下がりますが、ある程度真剣に働かないことには結果は絶対に出ません。
今の環境で裁量がない場合には
自分に合った環境をまず見つけると言う大前提があったとして、なかなかそのような良い環境とマッチングできないこともあります。
そのような場合にはどうやって裁量を獲得していけば良いのでしょうか。
当然昇進すれば部下に対して指示することができ裁量が上がりますが、今度はさらに役職が上の新たな上司が誕生します。
雇われている以上この傾向は社長になっても続き、今度は株主たちの意見を聞かなければいけません。
昇進さえすれば大きな裁量を得られると言うのは確実ではありません。
自分の裁量を増やしていくためにはまずは自分の小さな欲求を通しましょう。
自分にストレスにならない相手にも気づかれにくい本当に小さな変化から始めるのがコツです。
残業が嫌ならまずは気付かれぐらい徐々にいつもよりほんの少しだけ早く帰る。
ノーと言いづらい頼まれ事は返事まで数秒間の間を空ける、また声をやや低くする。
あまり目立たない程度に自分のデスクを自分の好きなアイテムで飾る。
疲れたらいつもより少しだけ長く頻繁に休憩してみる。
これらをやってみてうまくいったら、継続して様子を見て程度を少しずつ上げていってみましょう。
さらにこれらがうまくいき始めたら、様子を見て言葉でも自己主張を少しずつ増やしみましょう。
しかし、自由には責任が生じるようにある程度の自分の裁量を手にした場合には、その状態が相手にもプラスになることを何か行動で示しましょう。裁量が手に入ったからといって、自分の利己的な事ばかりに使わないように注意しましょう。
まとめ
自分が状況をコントロールできていると言う感覚はストレスを減らし健康状態も改善してくれます。
自己裁量とは非常に重要でストレスに敏感な人はまず初めに裁量の多い職場そのような環境を探してみることが重要です。
今の環境でなかなか裁量が少なくても、それを手に入れるための工夫が必要で、
大きな要求を通すにはまずは小さな要求を通しましょう。
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