欲望やエゴ、プライドとうまく付き合う方法

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よく自分の欲望を捨てて周りの人のためになるようなことをしましょうとか、プライドを捨てることで新たな道が開けるといった声を聞きます。

確かに、実際に欲望に溺れてしまうと次から次に欲しいものが出てきて止まらなくなってしまうでしょう。そのためにどんどんお金を注ぎ込むことになったり、学歴や肩書、役職など自分が自慢できるようなものには何としてでも執着するようになります。

まさにストレスの罠で、これらの欲望やステータスを追い求めるように私たちが住んでいる社会は煽ってきます。その結果疲れてるのに、頑張ってしまったり、欲しいブランド品を買うために他の大切なものに使うお金を注ぎ込んでしまったりします。

実際にこれらを手放すことでストレス状態から解放されます。

受験勉強が終わって晴れて大学に入学した入学生を調べてみると、多くの人に精神疾患の傾向が見られます。

私も実際に受験勉強の経験がありますが、合格した頃にはストレスでほとんどのエネルギーがなくなっていて、実際に心療内科に行きました。

しかしながら、私はどうしても東京に出たかったので東京の理系大学を中心に受けていましたが、地方の大学でも良しとすればここまで追い詰められることはありませんでした。

また、やはり有名なブランド大学には誰もが行きたがると思います。

しかもその理由はそこで学びたい学問があるのではなく、友人や親からの評価が上がるからではないでしょうか。

しかしながら、わざわざ有名ブランド大学に行かなくても同じ学科を他の大学でも学ぶことはできるでしょう。

もちろん有名な大学に行けば、有名な大手企業に就職できる確率が上がります。しかし、大切なのは企業のブランドや規模ではなく仕事の中身でしょう。

有名な大学だから、有名な企業だからと知名度やそのブランドにばかり拘ってしまうことこそが、ストレスから解放されない原因になります。

そのような場所は非常に競争率が高く、競争的な人たちが集まってきます。しかも、彼らは競争に勝ってそこにいる訳ですから、自信もプライドも持っていて、実際に競争を勝ち抜く能力も高い人が集まっています。

その結果、出世や良いポジションを争ってさらに激しい競争が待っているでしょう。

その競争がもたらすストレスや負荷は非常に強いものになるでしょう。

またその結果、良い製品やサービスが生まれて日本が良くなるならやりがいもあるでしょう。しかし、そのような競争は足の引っ張り合いや、どれだけ上司に気に入られるかなど本質ではないところでストレスが生まれます。そのような重要な意味を持たない競争はより強いストレスを生みます。

人間は本来ステータスや待遇だけでなく、やりがいや充実感、仕事の意味や自分が本質的に成長できるかなどに動機づけられるからです。

欲望やプライドとうまく付き合うには

綺麗事では人生は上手くいかない。

これは実際に社会に出て多くの人が経験しているでしょう。

確かにお金は非常に大切ですし、有名大学に行って、大手企業に入って出世コースに乗った方が全然お金を稼ぐことができますし、周囲からの評価も全然違ってくるでしょう。

また多くのお金持ちたちは、大きな欲が富に繋がると言います。

私もこれには非常に賛成していて、あまりにも協調性の優れた人や、お人好しの人はお金持ちになるのは難しいと思います。

また実際にお金持ちの人たちを観察していると、確かに一般の人より良くも悪くも欲に対して貪欲だと感じます。

また、自分の学歴を自慢してしまったりすると、嫌な奴に映ったり、今現在成果が出ていない人だなと感じてしまいますが、何もない人に比べるとメンタルが落ち込み難い傾向があると思います。

過去の栄光に縋ることで自己防衛が可能だし、自分が過去に大きな成果を出した経験は自信に繋がり、それがプラスに働くことも十分に有り得るでしょう。

欲望やプライドはメンタルが沈んだ時にプラスに働きます。

生きていると、悲しい出来事や嫌な事、強いストレスや将来に対して強い不安を抱くことがあります。

このような状態では、自責思考や不安やトラウマなどが頭からなかなか離れることがなく、何もしていなくてもエネルギーを消費してしまい、何かをするための行動力やエネルギーがかなり制限されてしまいます。

無気力でなかなかやる気が出てこない、不安から一歩が踏み出せず部屋から出てこれない、自信がなく社会でうまくやっていけるイメージができないなど様々な生産的とは言えない精神状態に苦しみます。

このような精神状態に比べると、

お金が欲しい、いい家に住みたい、異性と付き合いたい、ブランド品が欲しい、学歴が欲しい、有名な会社に入りたい、出征して自慢したいなどの精神状態は健全でより生産的です。

例えば、嫌なことがあって自信を喪失して引きこもってしまい、家から出れず毎日ネットで動画を見ていた人がいたとします。

その人が、たまたま動画でお金持ちの人を見てその人の派手で豪華なライフスタイルに憧れを抱いて、自分もお金持ちになってこんなかっこいい車に乗って、かっこいい洋服を着たいと考え行動に移すのは人生にとってプラスに働くことが多いでしょう。

YouTubeにはそのお金持ちがどのようにして成り上がったかのストーリーも載っているでしょうから、実際にお金持ちになれるかどうかは置いておいて、そこから浮上するきっかけを掴むことができるかもしれません。

純粋な欲望を追いかけている時には、あれこれ無駄なことは考えずに割と本能が導いてくれます。

メンタルを病んでしまい、あれこれマイナスな事ばかりが頭をよぎってしまう時にはまずは自分の生存と幸せ、自分の欲を考えることによって行動に繋がりある程度浮上できます。

考えてみてください。

あれが欲しい、あの車に乗りたい、不動産投資をやってみたい、公認会計士になってお金ももっと稼ぎたいなどと思い巡らせている人が自殺するでしょうか。逆に時間がいくらあっても足りなくて、人生もう一回くらい欲しいと思うのではないでしょうか。

第一お金が欲しいなら、長生きするだけで複利を使えば簡単にお金は稼げます。

毎年3万円くらいなら節約すればなんとか積み立てに回せるのではないでしょうか。これを株式投資の平均5%で20年間積み立てると1200万になります。

しかし、これを倍の40年積み立てると倍の2400万ではなく、約4500万になります。4500万あれば老後の資金にも困ることはないでしょう。

仮に毎年7万円積み立てることができれば、40年で富裕層と言われる億り人になれます。

お金が欲しいなら、自殺なんかしている場合ではありません。

地味に節約して、20歳からそれをS&P500に毎年7万円積み上げていけばそれだけで60歳の時には富裕層です。長生きしてください。

もちろん、地味に積み立てて長生きするだけがお金持ちになる方法ではありません。自分でビジネスを始めたり、英語を学んで外資系企業に転職したり、高収入が期待できる資格を取ったりすればある程度早い時期にお金持ちになることもできるでしょうし、高いステータスを手に入れることもできるでしょう。

しかしながら、逆にその成功がさらに強いストレスを生むことがあります。

欲望とプライドは敵を作る

欲望やステータスを目指すと、同じようにそれを目指す競争相手が現れると書きましたがそうではない人達も敵なることがあります。

欲望を抱くことは、自分自身の欠損が前提になります。

例えば欲しいものを既に持っているならばそれを欲しいとは思わないように、お金や資産を持っていないからこそそれを渇望します。

何かを渇望すると、それは手に入らない時に怒りに変わります。

よくビジネス街を歩いていると、せかせかしていて、すごく怒りっぽい人がいます。

何かと怖い雰囲気を醸し出していたり、交渉も強引に進めたりする人がいます。正直優柔不断な人や空気に流されてしまう人よりも、このような強気で強引な人の方がお金を稼ぐ可能性は高いのではないでしょうか。

自分の本能に忠実な人の方が、弱肉強食のビジネスの世界では飼い慣らされてしまった人より有利だと思います。

最悪、怒りは暴力にも発展することがあるでしょう。

またお金欲しさに、従業員から搾取したり、顧客に十分な価値を与えず信頼を失ったりするやり方はもちろん敵を作りますし、報復を覚悟した方がいいでしょう。

お金持ちの人達は揉め事を多く経験していますが、ただでさえ嫉妬される立場なのに関わらず、短期間に金持ちになった人はやはり強引なやり方をしてきた可能性は高く、長期的に信頼を積み重ねて来た人に比べると多くの軋轢と摩擦が存在しているでしょう。

よりお金が欲しい場合は、与えた価値と受け取る価値が同程度になるように生産性を上げることが重要です。

現代社会ではこのようなやり方が好まれないのは明白でしょう。

しかし、よりスマートに見えるやり方でも敵を作ります。

ステータスを欲しがる人は、優越感を欲してしまうからです。

例えば何故、ブランド大学の学位に価値があるかというと、それを持っていない多くの人がいるからです。

全員がハーバードや東大を卒業していたら、人類全体の知性が上がるといった点で価値がありますが、それに特別なステータスはありません。

持っていない人達がいるから彼らは優越感に浸ることができて、それを持っている事に特別感を感じるでしょう。

学んだことを仕事に活かすという本質には全く問題がありません。しかし有名大学を出ているから、大手有名企業で働いているから、難関独占国家資格を持って働いているから俺は凄い、というアイデンティティーを持ってしまうと、そうではない人達と比べた時に優越感を感じます。

優越感を感じるためには、有能ではない人の存在が必要になります。

世界を持っている優秀な人と、そうではない無能な人に分けてしまっているので必ず反発を受けて敵を作ります。

見下された方は、絶対にいい気分はしないですし、この二極化は本質的な価値を全く生みません。むしろ世の中に対してマイナスの影響があるでしょう。

このやり方は暴力を伴わないのに、本当に沢山の敵を作ります。

怒りを表した訳ではないので罪悪感も生まれにくく、相手もその場で感情を出してこないケースも多いので気付かないうちに敵が増えます。

自分にその兆候があるなと感じたら、絶対に止めることをお勧めします。

欲望とステータスはある程度で満足して、より高い視点を持つ

飢餓の状態では長く生きることはできませんが、逆に食べすぎると寿命が短くなります。

睡眠は5時間以下では体に悪い影響を与えますが、10時間以上眠る人は7時間半程度の人より平均寿命が短くなります。

年収はある程度までは幸福感と正の相関がありますが、それ以上はほとんど上がりません。

その為、欲望は適度なところで満足することが大切になります。

また、実際に能力のある人はわざわざステータスを誇示する必要はありません。

ステータスに頼りたくなった場合には、慢心から実際の能力が下がっている可能性があります。

そうなった場合には、慢心を捨てて実力を磨きましょう。

欲望やステータスはある程度にして、次に目を向けることだと思います。

自分が満足したなら社会全体に目を向けるか、二極化して敵を作らないようにお金やステータスに繋がらなくとも自分の興味関心を深掘りしてみることだとが自分は大切だと思っています。

全体に目を向けるとなると、そこまで大きな事をしなくてもできることは沢山あります。単純に今の仕事で慢心せずに実力を磨き、生産性を上げることで顧客にも会社全体にも貢献度に繋がります。

またこれまで自分が試してうまくいった方法などをSNSで仲間とシェアしてみてはどうでしょうか。

ブログやYouTubeを開設して情報発信をするやり方は非常に敷居が低く、始めやすい方法です。

もちろんボランティアやNPOを立ち上げるのもいいですし、社会貢献性の高いビジネスをすることもできます。

自分の興味を深掘りしていくならば、例えば、経営や経済といった直接的に収入につながらない、リベラルアーツの学問を学ぶことで世の中の本質を掴むことができます。

そのほかにも、スポーツ、音楽、芸術、旅行、ファッション、創作活動など自分の興味に素直になって色々経験してみると思ってもみないような経験ができるかも知れません。

まとめ

お金や肩書きは大事ではあるけれども、人生の幸福度を上げてくれる要因は、お金や肩書きだけではもちろんありません。

視点を上げるためのきっかけになればと思います。

また、私たちは結局1人で暮らしてる訳ではないので、自分1人だけが幸せになっても幸福度には限界があります。

逆に全体が良くなれば、それは必然的に自分にも返ってきます。

今日の親切が明日帰ってくる訳ではありませんが、忘れた頃にふとした親切を受け取る日が来るでしょう。

それはきっと、あの時にあなたが与えたあれでしょう。

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