強いものが生き残る訳ではない

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どんな環境でもそこそこは実は最強

飛び抜けた才能を持った人を見た時に、自分もそうなりたいと憧れたり、自分にもそんな才能があったらなと嫉妬する事があります。

何10億も稼ぐような経営者、プロスポーツの世界で大活躍して会場の声援を独り占めする選手、抜群に頭が良く難関大学に合格して、医師や弁護士または外資系金融やコンサルで活躍する人、抜群のルックスを持っていてSNSで大きな影響力を持つ人など才能が抜群にある人がいます。

しかしながら、私は断言しますが90%以上の私達凡人はとてつもない才能を持っています。

それはどんな環境でもそこそこに生きていける能力です。

これこそが私達が今世まで生存競争に勝ってここにいる理由で、私達が持っているとてつもない才能です。

当時地球上で最強だった恐竜が絶滅したように、強いものが必ず生き残るとは限りません。

Aという環境で最強だったとしても、急な環境変化の影響でBという環境に移った時に最弱では、Aでも平均Bでも平均的な生物より長く生き残れません。

環境の変化に適応できる者が最後まで生き残るという言葉があるように、とある環境ではとてつもない才能を発揮できる人が、別の環境では平均以下のポンコツになってしまう事があります。

プロスポーツ選手の中には、引退後かなり苦労している人たちがいます。一つの競技の中で一瞬の最高のパフォーマンスを発揮する能力と、一般会社員が必要な能力は相当に違うでしょう。

スポーツの世界で成功したと言う自信が、別の環境では非常に厄介なプライドに変わります。

また、圧倒的にお金を稼ぐのが得意な人でも、沢山の敵を作ってしまう人がいます。長期的に見ると沢山のトラブルに見舞われたり、お金持ちから転落してしまったりする人も多いと思います。

運動もそこそこ、頭も普通程度の人でも、コミュニケーションが得意だったり、必要以上に目立たず敵を作らない人は、逆に長期的には際立った才能を持つ人より生涯収入が高かったりします。

圧倒的に一つの分野で突き抜ける事ができた人はいいですが、そうでなければ学生時代にしていた様々な経験は役に立ちます。

だからこそ、自分の向き不向きを理解することもできますし、自分が苦手なことがどうしても避けられない時に、下手なりにも何とかこなす事ができれば最悪の事態に対処する事ができます。

自分の得意な環境に移動する能力

どんな環境でも、生き残れるようにまんべんなく適応できる能力は強みになりますが、たとえ能力に偏りがあったとしても自分の能力を知り、自分に合った環境に移動できるスキルがあれば生き残ることができます。

鳥類は最も恐竜の子孫に近いと言われています。

足の形を見ればその面影が非常に残っているからです。

鳥類はその移動距離の広さから、自分に合った環境に移動する能力が非常に高く環境変化の影響が地上の恐竜より少なかったのでしょう。

自分の能力に偏りがあるのを自覚している人は、変に苦手を克服するよりもこの能力が重要になります。

自分の強みを自覚して、今苦手な環境にいるならばどのようにして自分の強みの活かせる場所に移動できるかを模索する必要があります。

例えばストレスに対して脆弱な人や繊細な人は、信頼できる仲間のいる安心できる環境、インターネットを使ったり自由度が高く制限の少ないライフスタイルを送ることができる場合には、繊細な方が逆に都合が良くもなります。

繊細な人は、ストレス下でIQを測定すると非常に低く出る傾向がありますが、適切な環境で測定した場合、一般の人よりも高く出る傾向がありす。

実は繊細な人の方が先天的なIQは一般の人よりも高めです。

しかし、ストレスの強い環境では一般の人よりIQの低下が激しくなります。

つまり、適切な環境を選ぶことで、一般の人よりも優位性が発揮できることになります。

今のストレス下の状況で上手くいかないことに、絶望していてはいけません。

その為、今現在ストレスが多い仕事についているならば、その仕事をしながらより自分に優位性のある環境に移動する準備をする事です。

今いる職場で学べること、使える資源は徹底的に使いましょう。

また空いた時間を利用して、転職や独立の為のスキルを身につけたり、資格の勉強をしたり、副業やリスクの少ないビジネスを始めてみてどの程度の収入が確保できるのか試したりする事ができます。

それとは逆に、現在は自分に適合した環境にいたとしても、環境の推移によって今の優位性が消えてしまう事もあります。

例えば、高度経済成長期には、日本の製造業が特に発展して、集団行動が得意で協調性の高い人に優位性がありました。

しかし環境の変化により、単純に協調性があるだけでは生き残れなくなります。

氷河期が訪れ、普通に大学を卒業してもまともな就職の枠は激減します。

私も含めブラック企業に就職せざるを得なくなったり、非正規雇用の枠で低賃金で働くしかありませんでした。

その環境では単に良い子では生き残れません。

タフで長時間労働が可能だったり、ストレス耐性が求められ、したたかであることが重要でした。

インターネットが一般的になり、スマホが普及し出してからは働き方が徐々に自由になってきます。

またコロナウイルスの影響により、在宅ワークが普及して職場に出勤せずともリモートで働く人の割合が上がりました。

ITが普及してからは、体力やストレス耐性よりも地頭が良かったり、新しい技術を受け入れる力が高い人が有利になります。

私自身は氷河期世代で、ブラック企業と非正規雇用を経験しました。

短い睡眠時間とストレスによりコンディションが良い日の方が少ない中、何とかそれなりに仕事をして何とか生き延びました。

その時期は、繊細だった自分がしたたかな自分へと鍛えられた時期でした。

しかし、それは本来の自分の長所ではなく、非正規の期間は生活費を切り詰めて資格の勉強をしたり、投資やビジネスを少額で始めたりと様々な実験をしていました。

その結果、徐々に自分に合った環境へ移ることができました。

今後はAIによって、多くのホワイトワーカーの仕事の多くをAIが代替したり、高齢化が進むことにより現役世代の生活はより過酷になって行くでしょう。

今自分が上手く環境に適応していたとしても、変化は必ず襲ってきます。

お金をあまり使わずに投資に回して運用したりする人が増えていますし、それは変化を察知しての備えでしょう。

今の環境で周りよりも抜きん出て成功することは大事かもしれませんが、たとえ環境の変化が訪れてもそこでそれなりに立ち回れる力も肝心です。

自分がそこそこ環境に適応し、周りが適応に苦戦すればあなたは相対的に見ると成功者になります。

YouTuberや仮想通貨で大儲けした人は、飛び抜けた才能があったわけではなく、どちらかというとそれなりに変化の波を乗りこなしたタイプの人が多いと思います。

それでいて、一流大学を卒業して、一流企業に入り、出世して上場企業の社長になった抜きん出た才能を持った人の何倍も稼いでいたりします。

今から少しだけ準備をするだけで、周りが準備をしていなかったら大きな差が生まれるかも知れません。

発達障害に対する見解

ITやリモートワークが普及していくにつれて、繊細でストレスに弱かった人達が自分のペースで仕事ができるようになると、むしろ一般の人より有利になることもあると述べました。

私は、発達障害に関してもすべてを障害者として括ってしまう事は非常に危険だと思います。

もちろん発達障害があるかないかに関わらず、優秀な人もいればそうでない人もいて、努力家の人もいればそうでない人もいます。

しかし、成功した起業家、フリーランス、インフルエンサーなど、発達障害、特にADHD傾向のある人が非常に多く、また彼らは恐ろしく優秀で頭が良く、尚且つ行動力もあります。

パッと頭に浮かぶ大成功したADHD傾向のある人は沢山いるでしょう。

人間に優劣をつけたり、強いもの弱いものに分類するのは間違っていますが、この情報社会において仮に分類したら彼らは完全に強者になります。

優秀な彼らを障害者に分類していたら、一般の人は行動障害にでもなってしまうのでしょう。

確かにADHDの傾向があると、産業社会では周りに合わせることが難しく社会に適応することが困難だったと思います。

しかし、今はもう情報社会であり、その変化はより進むでしょう。

実はその昔、狩猟社会ではADHD傾向のある人の方が優位性があったと言われています。その栄養状態を調べた研究では狩猟社会においては、ADHD傾向のある人の方が栄養状態が良かったと言われています。

しかし、そこから農業が始まり農耕社会となると優位性は逆転してADHDの傾向を持つ人の栄養状態はそうでない人より悪くなりました。

そこから産業革命がという大きな変化があり規格化が進む中で、ADHD傾向のある人はさらに不利になり障害という括りになります。

そして、時代は変わります。

日本では今でも産業時代の教育が中心となっていますが、完全に情報時代の現代では、やり方さえ間違わなければ私はADHDはむしろ有利に働くことのほうが多くなるのではと考えています。

そのやり方はこの上なく重要ですが。

私は障害福祉の現場で働いていた経験がありますが、支援者は産業社会の枠の中に押し込む支援が中心であり、そもそも支援者自身がそのような産業社会の教育しかされてきていません。

日本全体の発展が世界から遅れているのが明らかな中で、社会福祉や教育はもちろん例外ではありません。

非常に問題なのが、その能力を上手く使う事ができれば一般の人よりもむしろ有利になる事があったとしても、障害というワードを突きつけられる事で劣等感を感じてしまうことです。

劣等感を感じて自信を削がれると、挑戦しようとう気持ちにブレーキがかかったり、より自分の欠点の修正ばかりに目が向き自分の長所が活かせない社会へ迎合しようとしてしまいます。

あなたが活躍するピースは揃っています。

今もし自分に合わない環境にいてもがいているなら、既にあなたに合う環境は様々なところで構築済みですのでそこに移動する能力を鍛えましょう。そもそもその行動力は誰よりも持っているはずです。

特にITが発達した今では独立起業に対するリスクが非常に下がり、尚且つ様々なITスキルに関してはインターネットやYouTubeで無料で学ぶことができます。

もちろん全ての発達障害の傾向が優位になる訳ではありません。

しかしそれは、そうではない人も同じで人間にはそれぞれ個性があり、過去において経験したことのない変化をこれから経験していきます。

過去の実績や傾向に縛られず、ゼロベースで考え未来の変化に適応する必要があるのではないでしょうか。

まとめ

最後に生き残るのは最も強い者ではなく、どんな環境にもそこそこに適応できる者、もしくは自分に合った環境に移動できる者です。

現代は情報社会であり、非常に多くの分野で産業社会での優位性は逆転しています。しかもこの傾向は今後さらに強まるでしょう。

しかし、現在優位性を持ち時代に選ばれた人も、次の変化ではどうなるかわかりません。

今この瞬間だけを見て勝ち負けや優劣をつける風潮は終わりにして、様々な個性を持った人間が共生できる社会の構築が重要なのではないでしょうか。

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